初めてのプランター栽培5つのポイント

 

ベランダのプランター野菜

 

プランターでよく使われているタイプは幅60〜65cm程度の600型と呼ばれているものでプラスチック製で軽いのが特徴です。

 

600型プランターは奥行20cm、深さ20cmと土の量が少ないので軽くて持ち運びしやすく野菜や花などの栽培でよく使われています。

 

鉢底はフラットなものが安定性が良く、奥行きの薄いタイプは場所を効率的に使えること、鉢底の蓋があると排水が良くなるのでお勧めです。

 

ベランダに多くのプランターを並べる場合は東側から草丈の低い野菜を順番に並べることで影を作ることなく、全体に日光が当たるようになります。

 

初心者は軽くて安い600型プランターから始めよう

600型プランター

底がフラット、薄型、鉢底の蓋があるものが使いやすい

 

600型プランターは深さが18cm程度で土の量が少ないので、株数を減らして育てることで多くの野菜を育てることができます。

 

葉菜類では水菜や小松菜、葉ねぎ、根菜類では二十日大根や葉だいこん、果菜類はエダマメやいちごなどがお勧めです。

 

水菜は大株になると根量が増えてくるので600型プランターではスーパーで販売されている小株の状態で密植栽培して育てます。

 

水菜

 

草丈が25〜30cmになれば収穫の目安ですが、プランターの周囲を不織布で覆うことで倒伏防止と徒長促進につながります。

 

小松菜は1か月程度で収穫できる初心者向きの野菜ですが、畑に長く置くと品質が落ちるので、1度に収穫する量を10日間隔でずらして種をまきましょう。

 

失敗しない種のまき方とは

ニガウリの発芽

種子は発芽適温、生育の早晩、光好性の有無をチェックする

 

野菜の種子には表皮が固くて吸水しにくい硬実種子や水分が多いと腐敗しやすいもの、小さくて発芽がそろいにくいものなど様々です。

 

表皮が固い硬実種子はゴーヤーやオクラ、ほうれんそうなどで、吸水が不十分だと発芽しないので、事前に1〜2日浸水させて種をまきます。

 

ゴーヤーやとうもろこしは発芽適温が25〜30度と高いので、気温の低い時期は保温した状態を発芽まで保つ必要があります。

 

エダマメやそらまめは水分が多すぎると発芽する前に腐敗しやすいしやすいので、水をやり過ぎないように注意する必要があります。

 

ほうれんそう

 

にんじんはタネが小さく発芽した芽も小さいので、1cmに2粒程度の間隔で撒いて「共育ち」することで、初期生育がよくなります。

 

種まきの基本はまき溝の深さを均一にすることで、角材のようなもので平らな溝をつくり、覆土の厚さを一定にすることです。

 

覆土は種子の直径の3倍と言われていますが、にんじんやセロリなどの好光性種子は種子が隠れる程度で土をかぶせます。

 

野菜が良く育つ培養土選びとは

そら豆の立枯病
そらまめの立枯病

赤玉土、黒土、ココヤシビートが配合されている培養土は避ける

 

培養土選びのポイントは根が良く育つ保水性と排水性のあること、培養土からの病気の感染が少ないことが挙げられます。

 

野菜の根がよく伸びる条件は土壌の粒子が有機物と集合体となった団粒構造になっていることが理想的と言われています。

 

団粒構造を持つ培養土は弾力性のあるふわっとした触感で、表面は乾いたような触感でもしっかり水分を保持していることです。

 

オクラの黒根病
オクラの黒根病

 

プランターの培養土は畑の土とは違い、周囲の気温の影響を受けやすいため土の温度や水分が変動しやすくなります。

 

良い培養土は団粒構造を持っているため、その中に水分を蓄えながら小さな細根が育つ空間を併せ持っています。

 

プランター野菜に発生する病気は周辺の雑草や害虫が感染源になるものと培養土に使われている資材に原因があります。

 

赤玉土や粒状の黒土、ココヤシビートが配合されている培養土は過去に使用した経験から病気の発生が多いので購入は避けた方がいいでしょう。

 

過去に使用した培養土については培養土に使用されている資材名と発生した病害名を取りまとめた記事をご覧ください。

 

肥料は速効性の液肥がお勧め

液肥

窒素配合比の高いもので安価なもので十分

 

肥料は牛糞や油かすなどの有機質肥料と無機物由来の化学肥料がありますが、植物に早く吸収されるのは化学肥料です。

 

化学肥料には固形肥料と液体肥料があり、窒素、リン酸、カリの三要素を配合比で表示した複合肥料が使われています。

 

プランターでは固形肥料よりも水で1000倍に希釈して潅水かわりに植物に施すことができる液肥が使いやすくて便利です。

 

液体肥料のキャップ1杯は約10ccなので、じょうろ(3〜5リットル)に応じてキャップの3分の1〜2分の1の液量で1000倍に希釈できます。

 

牛糞や鶏糞などの有機質肥料はゆっくり分解しながら植物に吸収されるので、雨による肥料の流亡が少なく肥料効果が長いのが特徴です。

 

有機質肥料の窒素成分は微生物が分解することでアンモニア態から硝酸態に変わり、植物が吸収しやすい形となります。

 

アンモニアは植物にとって有毒な成分で、野菜の根を痛めたり悪臭の原因になるので有機質肥料の使い方には注意が必要です。

 

ぼかし肥料は牛糞や鶏糞などを発酵させたもので、速効性で効果も早く臭いも少ないので培養土などにも配合されています。

 

生育が不揃いになる原因は

ベランダの野菜

発芽揃い、土寄せ、プランターの置き方がポイント

 

プランター栽培では置く場所の違いにより日照時間や光の強さが違うため、どうしても生育の差が生じてしまいます。

 

生育が不揃いになると収穫する時期が揃わなくなるので、こまめにプランターの向きを変えるなどの管理が必要です。

 

種子の発芽は光の影響を受ける品種が多いので、まき溝が平らであることや覆土を厚くしないことが大切です。

 

特に種皮の固い硬実種子は吸水に時間がかかるため、浸水して膨らんでから種子を撒くようにすると発芽のばらつきが少なくなります。

 

ゴーヤの苗

 

種子から間引いて育てる野菜は間引いて株間が広くなると風当たりが強くなるので、株元に土寄せして根をしっかり固定します。

 

ベランダの外側の面が最も光が強いため外側に面した野菜の生育がどうしても早くなるので、プランターを180度入れ替えて生育差をなくしましょう。

 

タアサイ

 

600型のプランターをベランダに沢山置く場合は縦置きになりますが、置き方を工夫することで生育差を少なくすることができます。

 

また、水やりはプランターの手前ほど水が入りにくく乾きやすいので、生育差が生じないように丁寧な水やりが必要です。

 

ステップ2 汎用型プランターで色んな野菜を育てる

 

 

ねぎは根量が少ないので葉ねぎであれば汎用型プランターである程度の大きさまでは育てることができます。

 

種まきは3〜6月と9〜10月頃ですが気温が高い時期は発芽しても枯れてしまうことがあるので暑い時期は直射日光が当たらない日陰で育てます。

 

長ねぎ(根深ねぎ)は25cm以上の深いプランターで葉鞘部が土に埋もれないように時間をかけて土寄せすると育てることができます。

 

 

葉ねぎは種まきから収穫まで2〜3か月以上かかりますが、購入したねぎの根部から育てると2か月で収穫できる大きさに育ちます。

 

画像は9月にスーパーで購入したねぎの根部をプランターで6か月育てたもので葉ねぎと根深ねぎの中間の大きさに育っています。

 

スーパーで人気のある刻みねぎは画像のサイズを刻んだものが多く、葉ねぎでは歯ごたえや甘みが物足りない方にお勧めです。

 

根深ねぎ

 

からし菜
黄がらし菜

 

漬け菜は辛みのあるからし菜系、結球しない白菜系、かぶとして栽培されていたかぶ系、油を取るために栽培されていたなたね系に分かれます。

 

日本三大漬け菜である三池高菜はからし菜系、広島菜は白菜系、野沢菜はかぶ系という具合に由来は分かれます。

 

からし菜は葉からし菜類(黄からし菜など)、高菜類(かつお菜など)、多肉性高菜類(三池高菜など)、茎用高菜類(搾菜など)などがあります。

 

葉からし菜などのからし菜類はだいこん葉のように切れ込みがあり、葉面積が大きくないので汎用型プランターで十分育てることができます。

 

一方、三池高菜やかつお菜、こぶ高菜は大株に育てて漬物にするので、汎用型プランター小株にしか育たないので漬け菜には不向きです。

 

こぶ高菜(汎用型プランター)

 

こぶ高菜(深型プランター)

 

ちぢみほうれんそう

 

ほうれんそうは葉の切れ込みがある東洋種、葉が丸い西洋種、西洋種と東洋種の交配種、葉柄が赤い赤茎種があります。

 

赤茎種以外は根が制限されると葉が黄化したり、伸びなくなるので汎用型プランターでは広めに間引きして早めに収穫します。

 

また、種まき溝の深さが一定でないと発芽時期がずれて生育差が生じやすいので、撒き溝は平らにならしてから種をまく必要があります。

 

落花生

 

落花生は汎用型プランターでも育てることができますが、花が咲いた後に子房柄が土に潜り込むように誘導する必要があります。

 

子房柄は土の中でしか肥大しないので、株が横に伸びて広がってきたら別のプランターに土を入れて子房柄を誘導します。

 

大葉春菊
大葉春菊

 

春菊は根が深く伸びるため浅い600型プランターでは根詰まりを起こしやすく、株が10cmくらいの大きさで生育が停滞してしまいます。

 

このサイズでも十分食べられますが、本格的に育てるには深さのあるプランターで株間10〜15cmに間引いて育てる必要があります。

 

サラダ春菊(中葉種)
中葉春菊

 

関東では主枝を摘み取る中葉の「摘み取り種」が主流で、関西では伸びた側枝を株ごと収穫する大葉や中葉の「株張り種」が流通しています。

 

春菊は種まきから40日くらいから収穫できる大きさになりますが、2か月以上経過すると茎や葉が固くなるので収穫遅れにならないようにします。

 

ステップ3 深型プランターで大株葉菜や果菜を育てる

 

金系201号(深型22リットル)

 

きゃべつは秋冬どりと春どりがありますが、春どりはとう立ちの心配があるのでとう立ちしにくい晩生品種を選んで11〜12月に苗を植え付けます。

 

秋冬どりは苗の植え付けが遅れると結球しなくなることがあるので、10〜11月に結球しなければ早めに収穫します。

 

富士(深型15リットル)

 

プランターは25cm以上の深さがあり20リットル以上の容量があれば、通常サイズのキャベツを育てることができます。

 

深さが25cm以上でも容量が20リットルに満たないプランターでは根が十分育たないので、玉の小さいキャベツになってしまいます。

 

結球型白菜(王将)

 

白菜の品種は結球性、半結球性(山東白菜)、不結球性(べか菜、広島菜など)があり、一般的に白菜と言えば結球型白菜のことを言います。

 

種まきから収穫までの日数は50日〜100日で50〜60日で収穫できる極早生品種の方が小型で料理しやすくプランター栽培にも向いています。

 

結球型の品種は植え付けが遅れたり、肥料不足などで生育不良になると結球しなくなることがあります。

 

本葉が20枚上になっていても結球しない場合は結球をあきらめて早めに収穫するかとう立ちまで待って花茎を菜花として収穫するのも良いでしょう。

 

ミニトマト
ミニトマト

 

ミニトマトは大玉トマトやミディアムトマトに比べると病気にも強く作りやすいので初心者でも比較的簡単に育てられます。

 

品種は千果(タキイ種苗)やアイコ(サカタのタネ)などの定番の品種に加えて、近年は皮の薄いプチっとした食感の品種が多く販売されています。

 

CFプチぷよ(渡辺採取場)は葉カビ病の抵抗性を持ちながら、皮が薄くてぷにぷにとした新しい食感が味わえるミニトマトです。

 

ミニトマト

 

トマトは大玉が200g以上、ミニトマトが15〜30gが目安で区分されていますが、ミニトマトは10g以下の極小粒の品種も少なくありません。

 

プランター栽培では人工授粉を小まめ行うことや1房当たり6〜8個に摘果することで粒ぞろいと成熟を揃えることができます。

 

人工授粉は気温が高くならない午前9時頃を目安に、房ごと指で1〜2回軽くはじくことを数日繰り返すことで確実に着果します。

 

摘果は受粉が確認できた時点で早めに行うことで、上位節の開花が促進され果実の肥大も早くなります。

 

大玉トマト
大玉トマト

 

大玉トマトとして定番の桃太郎シリーズ(タキイ種苗)には多数病害抵抗性を持つファイドや黄色に熟すゴールドなどがあります。

 

麗夏(サカタのタネ)は病気や生理障害に強く、甘みや酸味のバランスが良いうえに雨による裂果が少ないというお勧めの品種です。

 

トマトの尻腐れ症

 

トマトに発生する尻腐れ症はカルシウム不足が原因とされていますが、大玉トマトで発生が多い生理障害です。

 

尻腐れ症は病害抵抗性品種や上位節で発生が多く、幼果の尻が黒くなると成長が停止して腐敗してしまいます。

 

カルシウムは植物に吸収された後、移動しにくいので急激に成長して葉やわき芽が伸びると一時的に先端の果実では不足しやすくなります。

 

発生防止対策はわき芽を小まめに除去すること、急激に成長しないように花芽の付いた苗を植えること、肥料のやりすぎに注意することです。

 

幼果に尻腐れの症状が現れた場合は症状が回復することはないので、早めに除去を行って健全な果実の成長を促します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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